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人体のしくみとはたらき

このページは当サイト管理者による学外講義の補足的な内容となっています

シラバス(2017年度)

月/日 時限 内容
4/17 1 序論   解剖学と生理学
2 総論1   個体の形態と機能
4/24 1 総論2   組織と細胞
2 総論3   タンパク質と核酸
5/1 1 骨1    骨の微細構造と発生
2 骨2    頭部と体幹の骨
5/8 1 骨3    体肢の骨
2 骨のおさらい
5/15 1 筋1    筋の微細構造と生理
2 筋2   体幹の筋
5/22 1 筋3   体肢の筋
2 筋のおさらい
5/29 1 前期試験の傾向と対策
2 未定
6/5 試験1   総論・骨・筋
6/12 1 神経1   情報伝達のしくみ
2 神経2   脳と脊髄
6/19 1 神経3   脳神経と脊髄神経
2 神経のおさらい
6/26 1 感覚器1  一般感覚
2 感覚器2  眼の構造と機能
7/3 1 感覚器3  その他の特殊感覚
2 感覚器のおさらい / 後期試験の傾向と対策
8/28 試験2   神経・感覚器




総論

総論1
■ 人体各部の名称
【前面】 鎖骨下(部)|胸骨(部)|腋窩/前腕|A. 胸筋(部)|B. 下肋(部)|C. 上腹(部)|D. 側腹(部)|E. 肘窩(部)
【手】 手掌
【後面】 脊柱(部)|項(部)|三角筋(部)|肩甲(部)|肩甲下(部)|腰(部)|肘頭(部)
【頭部】(左下から時計回りに) 頬(部)|後頭(部)|側頭(部)|頭頂(部)|前頭(部)|眼窩(部)|鼻(部)|口(部)|前頸部
【下肢】(前面) 大腿三角|膝蓋(部)|下腿|足背|鼠径(部)|外陰(部)
(後面) 臀(部)|膝窩(部)|足底

総論2
■ 方向や位置を示す用語
【前面】 尺側|近位・遠位|脛側・腓側
【左側面】 腹側・背側|尾側|掌側・背側|背側・底側
(右上) 解剖学的正位
(右上段) 水平面|前頭面
(右下段) 矢状面|正中面
【基準経線】 前正中線|胸骨線|胸骨傍線|鎖骨中線|後正中線|肩甲線

総論3
■ 組織の基本的な分類
上皮組織|支持組織|筋組織|神経組織

■ 上皮組織: 腺上皮
導管|腺房

総論4
■ 上皮組織: 被蓋上皮
単層扁平上皮|単層立方上皮|単層円柱上皮|重層扁平上皮|移行上皮|多列上皮





骨1
■ 骨の形態による分類
(上段) 長骨|短骨|扁平骨
(下段) 含気骨|種子骨|不規則形骨

■ 骨の一般構造
骨端|骨幹

骨2
■ 骨の微細構造
骨膜|緻密骨|海綿骨|フォルクマン管|ハバース管

骨3
■ 軟骨組織の分類
ガラス軟骨|弾性軟骨|線維軟骨

骨4
■ 骨形成: 軟骨内骨化
置換骨

■ 骨形成: 膜内骨化
膜性骨

骨5
■ 関節の構造
滑膜|関節軟骨|靱帯

■ 全身の骨格
(左列) 鎖骨|胸骨|肋骨|手根骨|中手骨|指骨|足根骨|中足骨
(右列) 頭蓋骨|上腕骨|橈骨|尺骨|大腿骨|腓骨|脛骨
【脊柱】(左列) 肩甲骨|寛骨
(右列) 頚椎|胸椎|腰椎|仙骨|尾骨

骨6
■ 頭蓋骨
A. 前頭骨|B. 頭頂骨|C. 側頭骨|D. 後頭骨|E. 蝶形骨|(F. 篩骨)|G. 鼻骨|H. 涙骨|I. 下鼻甲介|J. 鋤骨|K. 上顎骨|L. 下顎骨|M. 頬骨|N. 口蓋骨|O. 舌骨|P. 矢状縫合|Q. 冠状縫合|R. ラムダ縫合|S. 鱗状縫合
【胎児~新生児】 大泉門|小泉門

骨7
■ 副鼻腔
(左) 前頭洞|篩骨洞|上顎洞
(右) 蝶形骨洞

■ 脊柱と椎骨
7|12|5

骨8
■ 椎骨の形態
【腰椎(上面)】(右から時計回りに) 椎体|椎弓|椎孔|棘突起
【腰椎の連結】 椎間孔|椎間板

骨9
■ 環椎と軸椎
環椎|軸椎

■ 肋骨と胸骨
(左) 肋軟骨|肋骨弓
(右) 胸骨柄|胸骨角|胸骨体|剣状突起

骨10
■ 上肢骨
肩関節|肘関節

■ 下肢骨
(左列) 股関節|骨盤腔|膝関節
(右列) 膝蓋骨

骨11
【右肩甲骨】 烏口突起|肩峰
【右上腕骨】(左列) (上腕骨)頭|(上腕骨)体|(上腕骨)滑車
(右列) 解剖頸|外科頸

骨12
【右尺骨】 肘頭

骨13
【右寛骨】(左列) 坐骨
(右列) 腸骨|恥骨|寛骨臼

骨15
■ 関節の種類
(上段) 球関節|車軸関節|楕円関節
(下段) 蝶番関節|鞍関節

■ 関節の運動
(上段) 屈曲|外転
(下段) 外旋|回外





筋1
■ 筋組織
骨格筋/心筋/平滑筋

■ 骨格筋の形態による分類
起始/筋頭/筋腹/停止

筋2
■ 筋の微細構造
ミオシン/アクチン/筋線維

筋3
■ 活動電位
脱分極/再分極

筋4
■ 頭部の筋
【表情筋と顔面神経】(左列) 前頭筋/眼輪筋/鼻筋/口輪筋
(右列) 側頭筋/咬筋/胸鎖乳突筋

筋5
■ 胸部の筋
(左) 横隔膜
(右上) 大胸筋
(右下) 肋間筋

筋6
■ 腹部の筋
【浅層】 外腹斜筋/鼡径(靱帯)
【深層】 腹直筋

■ 鼡径管
浅鼡径(輪)/深鼡径(輪)/精索

筋7
■ 背部の筋
僧帽筋/広背筋/脊柱起立筋

■ 上肢帯の筋
【右肩】 三角筋
【右後肩甲部】(左列) 棘上筋/棘下筋/大円筋
(右列) 小円筋

筋8
■ 上腕の筋
上腕筋

筋9
■ 回内筋と回外筋
回外筋/円回内筋/方形回内筋

筋12
■ 頭頸部の筋
表情筋/咀嚼筋

■ 胸腹部の筋
横隔膜/外肋間筋/内肋間筋

■ 背部の筋
固有背筋

筋13
■ 上肢の筋
三角筋/上腕二頭筋/上腕三頭筋/母指球筋/小指球筋

■ 下肢の筋
大腿四頭筋/膝蓋靭帯/ヒラメ筋





神経

神経1
■ ニューロンとシナプス
樹状突起/細胞体/軸索/ミエリン鞘

神経2
■ 無髄線維と有髄線維
無髄(線維)/有髄(線維)

神経4
■ 脊髄の構造
(断面) 後角/側角/前角
(全体像) 頸髄/胸髄/腰髄

神経5
■ 脳の構造
【左外側面】(左下から時計回りに) 側頭葉/前頭葉/中心溝/後頭葉
【正中断面】(吻側から) 視床/視床下部/中脳/延髄
【前頭断面】(左下から時計回りに) 大脳脚/島/大脳縦裂/側脳室/線条体/海馬/扁桃体

神経6
■ 髄膜と脳脊髄液
【髄膜】 硬膜/クモ膜/軟膜

■ 伝導路
【下行性伝導路】 錐体路

神経9
■ 大脳
【大脳新皮質】(左) ブローカ(野)/ウェルニッケ(野)/一次視覚(野)
(右) 前頭前(野)

神経10
■ 脊髄神経
後根/前根

神経11
■ 脳神経
【脳底部】 嗅神経/視神経/動眼神経/滑車神経/三叉神経/外転神経/顔面神経/内耳神経/舌咽神経/迷走神経/副神経/舌下神経

神経12
■ 自律神経
交感(神経)/節前(線維)/副交感(神経)/節後(線維)





感覚器

感覚器1
■ 皮膚の構造
表皮/真皮

感覚器2
■ 表皮
角質(層)/基底(層)

■ 皮膚の感覚受容器
メルケル触覚円板/自由神経終末/マイスネル小体/パッチーニ小体

感覚器3
■ 毛
毛根/毛包

■ 爪
爪半月/爪母基

感覚器4
■ 汗腺
エクリン汗腺/アポクリン汗腺

■ 筋の感覚受容器
筋紡錘

感覚器5
■ 外眼筋
【右眼(上面)】 滑車/上斜筋/外側直筋
【左眼(外側面)】 上眼瞼挙筋/上直筋/内側直筋/下直筋/下斜筋

感覚器6
■ 眼球の構造
(左下から時計回りに)強膜/脈絡膜/網膜/視神経円板/硝子体/水晶体/角膜

感覚器7
■ 視覚経路
①右眼両視野  ②左眼左視野・右眼右視野  ③左眼左視野・右眼左視野

感覚器8
■ 視細胞: 桿体と錐体
錐体/桿体

感覚器9
■ 毛様体のピント調節機能
毛様体

■ 縮瞳と散瞳
虹彩/瞳孔

感覚器10
■ 耳の構造
外耳/中耳/内耳

■ 内耳
半規管/蝸牛

感覚器13
■ 嗅上皮の細胞構成
嗅上皮/嗅球/嗅神経/嗅細胞

■ 味覚受容器
味細胞





骨の微細構造と発生

■ 骨の微細構造
 骨はリン酸カルシウムを主体とする骨基質と、いくらかの細胞性要素(骨細胞骨芽細胞破骨細胞)からなる。骨芽細胞は類骨と称される基質成分を分泌し、やがて骨細胞へと分化して自身が分泌し石灰化した基質に取り囲まれ分布する。一方、マクロファージの一種である破骨細胞は基質を吸収・分解する。したがって血中カルシウム濃度は破骨細胞の活性を促進することによって上昇し、抑制することによって低下する。破骨細胞の活性は上皮小体ホルモン(パラトルモン)による骨芽細胞からの破骨細胞刺激因子の放出によって促進され、甲状腺からのカルシトニンによって抑制される。

 骨の実質は緻密骨海綿骨からなる。緻密骨を構成する骨単位(オステオン)は骨細胞を養うための血管および神経が走行するハバース管と、それをバウムクーヘンのように取り囲む層板からなり、隣り合うオステオンのハバース管はフォルクマン管によって貫かれる。海綿骨は骨内膜に覆われた骨梁による格子構造を示す。また骨はこれらに加え、表面を覆う骨膜と、深部を満たす骨髄を含む。骨膜は血管と神経に富む膜状の結合組織で骨芽細胞を含み、骨の保護や太さの成長にあずかる。骨髄は骨幹中心部の骨髄腔や海綿骨の小腔を満たす軟組織で、造血機能をもつ。ただし体肢の骨では加齢と共に造血機能が失われる。造血が盛んなものは赤く見えるが(赤色骨髄)、造血機能を失うと脂肪化して黄色くなる(黄色骨髄)。

■ 骨の発生
 大部分の骨はガラス軟骨から置き換わって形成され(軟骨内骨化)、そのような骨を置換骨と呼ぶ。頭蓋冠の骨や鎖骨は胎児の皮膚の結合組織(間葉)から形成され(膜内骨化)、これを膜性骨と呼ぶ。





筋の微細構造と生理

■ 筋の微細構造
 骨格筋は筋線維(細長い円柱形の多核細胞。筋細胞)の束(筋束)からなり、全体を筋上膜に覆われる。筋上膜の中隔(筋周膜)は個々の筋束を取り巻き、筋束を構成する個々の筋線維は筋内膜に覆われる。筋上膜、筋周膜、筋内膜といった筋組織を取り囲む結合組織は筋膜と総称される。筋膜は腱へと移行して骨と結合する。

 筋線維では筋原線維が長軸方向に走行する。筋原線維はアクチンによる細いフィラメントとミオシンによる太いフィラメントのそれぞれの端と端が規則的に折り重なって構成され、顕微鏡下ではそのタンパク質密度による濃淡が横紋として観察される。

■ 筋の生理
 体性の遠心性線維すなわち運動神経は神経筋接合部(運動終板)において筋線維とシナプスを形成する。神経の興奮(活動電位)は軸索末端からアセチルコリンを遊離させ、これが筋細胞膜のニコチン性アセチルコリン受容体に結合してナトリウムチャネルを開口し脱分極させる。細胞膜を伝わった活動電位はT細管を介して小胞体からカルシウムイオンを放出させ、ATP(アデノシン三リン酸)を消費してアクチンとミオシンの滑り込み(=筋収縮)を引き起こす。

 激しい運動のために筋のエネルギー需要が高まると、筋細胞はATP産生に解糖系を利用し乳酸を生じる。乳酸はアシドーシスを引き起こすことから長らく筋疲労の原因物質と考えられてきたが、未解明の点も多い。ATP産生にはクレアチンリン酸によるADPへのリン酸付加も寄与する。ATPが枯渇するとアクチンとミオシンの結合は安定状態となり、筋は硬直する(=死後硬直)。





神経系の区分とシグナル伝達

■ 神経系の区分
 神経系は脳・脊髄からなる中枢神経と、脳神経・脊髄神経からなる末梢神経に分けられる。また体節に由来する構造物(皮膚・骨格筋)を支配する体性神経と、内臓を構成する要素(心筋・平滑筋・腺)を支配する臓性神経の区別は、特に末梢神経で著明であり、それぞれに求心性伝導路と遠心性伝導路がある。体性神経においてしばしば、求心性線維は知覚神経(または感覚神経)、遠心性線維は運動神経と呼ばれる。また臓性の遠心性線維は特に自律神経と呼ばれ、胸髄・腰髄(T1-L2)から出る交感神経と脳幹(III, VII, IX, X)および仙髄(S2-4)から出る副交感神経に分けられる。

■ シグナル伝達
 神経組織ではニューロン(神経細胞)がそれぞれ他の細胞へシグナルを伝達し、これらの回路によって情報を処理する。ニューロンは細胞体と神経線維からなる。神経線維には外界や他の細胞からの入力を受ける樹状突起と、これを他の細胞に出力する軸索がある。軸索は他の細胞とシナプスを介して連絡する。細胞膜を伝わった活動電位は軸索末端(シナプス前終末)に達すると、シナプス小胞のエキソサイトーシスを誘導し小胞内の神経伝達物質をシナプス間隙に遊離させる。遊離した神経伝達物質は近接する細胞の膜上(シナプス後膜)に発現する受容体に結合するとイオンチャネルを開き、脱分極または過分極させる。シナプスは軸索-樹状突起間、軸索-細胞体間、軸索-軸索間のいずれにも存在する。

 軸索には有髄線維無髄線維がある。有髄線維はミエリン鞘あるいは髄鞘と呼ばれるある種のグリア細胞(中枢神経ではオリゴデンドロサイト、末梢神経ではシュワン細胞)の形質膜が層状に覆った絶縁体によって取り囲まれ、活動電位がミエリン鞘の切れ目(ランビエの絞輪)まで跳躍して伝わる(=跳躍伝導)。一方、無髄線維では髄鞘が未発達のため伝導速度は比較的遅い。